プライム編集、世界初の臨床成功——慢性肉芽腫症の患者で免疫機能が回復
遺伝子を「検索して書き換える」と言われるプライム編集(DNAを切らずに狙った配列を精密に置き換える次世代ゲノム編集技術)が、世界で初めて患者の体内で効果を示しました。 【何が起きたのか】 Prime Medicine社が開発した治療薬「PM359」が、慢性肉芽腫症(CGD)の患者に投与されました。CGDは免疫細胞が細菌や真菌をうまく殺せず、重い感染症を繰り返す遺伝性の難病です。 結果は2026年3月、医学誌NEJM(New England Journal of Medicine)に査読付き論文として報告されました。 【データが示したこと】 治療では患者自身の血液をつくる細胞を取り出し、プライム編集で遺伝子の誤りを修正してから体に戻します。 投与から15日目には免疫細胞の機能を示す指標(DHR)が約58%まで回復し、30日目には約66%に達しました。健康な人に近い水準に届きつつあり、安全性の面でも大きな問題は報告されていません。 【なぜ注目されるのか】 プライム編集は、CRISPRを生んだ研究者の一人デイヴィッド・リウ氏が「2.5世代」と呼ぶ技術です。これまでは実験室や動物での成果が中心でしたが、今回初めて人での有効性が公式な論文で裏づけられました。一つの遺伝病の治療にとどまらず、ゲノム編集医療全体の新しい段階を示す出来事といえます。 本記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療方針は必ず主治医に相談してください。 出典: NEJM (2026年3月) https://www.nejm.org/doi/abs/10.1056/NEJMoa2509807 / CRISPR Medicine News
www.nejm.org